海神ネプチューン(またはポセイドン)の名を冠する海王星。
その青く輝く姿はさながら宇宙に浮かぶラピスラズリ。
今回は宝石のように美しい太陽系第八の惑星・海王星について紹介していきたいと思います。
(初見でボーリングの球かと思ったのは内緒)
基本データ
- 和名:海王星 英名:Neptune ラテン名:Neptunus
- 直径 49,528 km
- 質量 1.02 ×1026 kg
- 平均密度 1.638 g/cm3
- 表面温度 -226 ~ -201 ℃
- 公転周期 164.79 年
- 自転周期 16 時間 6.5 分
- 衛星の数 14
海王星ってどんな星?
海王星は1846年にドイツの天文学者ヨハン・ゴットフリート・ガレによって太陽系八番目の惑星として発見されました。
現在、発見されている太陽系惑星の中で最も外縁を公転する惑星です。
太陽から一番遠いということで「深淵」をイメージし、ネプチューン(海の神)=海王星と命名されました。
青色の外見とは無関係とのことですが、”海”王星って名前この星にぴったりだと思います(^^♪
巨大氷惑星
海王星は太陽系で4番目の大きさで、直径は地球の約3.9倍にもなります。(海王星:49,528 km 地球:12,742 km)
表面重力は地球の1.15倍ほどなので、もし海王星に降り立つことができたらなら、あまり違和感を感じることなく過ごすことができるでしょう。
地球と海王星のサイズ比較
大気は水素80%、ヘリウム18%、メタン2%、その他微量のアンモニア、エタン、アセチレンから構成されています。
大気の下には水、メタン、アンモニアの氷でできたマントルが存在し、そのさらに奥には岩石からなる核があると考えられています。
これらの特徴は天王星とよく似ており、海王星は「天王星型惑星(巨大氷惑星)」に分類されています。
こちらも合わせてお読みください≫太陽系第七の惑星・天王星
青い宝石のような輝き
海王星の最大の特徴と言えるのがその美しい外観ですが、なぜこのように青く輝くのでしょうか。
その秘密は、大気中のメタンに隠されています。
メタンは長い波長の光(赤色など)を吸収し、短い波長の光(青色など)を散乱させる性質を持っています。
そのため太陽光の内、青い光だけが反射されまるでラピスラズリのように青く輝くのです。
ちなみに天王星も同様の原理で青く見えるのですが、海王星の方がより深い青色になる理由はよくわかっていません。
未知の化合物の影響なのではと考えられていますが真相は今のところ謎です。
こういうミステリアスなところも含めて、実に神秘的で美しい星だと思います(✿´⌣`✿)
生きてるうちにこの目で拝んでみたいものです( ˘ ³˘)
海王星の環
海王星には土星や木星、天王星のように環があります。
この環は内側から順にガレ環、ルヴェリエ環、ラッセル環、アラゴ環、アダムス環という5種類の環から構成されています。
海王星の環の構成物質の大半はマイクロサイズの暗い塵であるため肉眼で見ることはできません。
太陽系の歴史からすると海王星の環の年齢は比較的若いと考えられており、惑星同士の衝突の破片が環になった説が有力とされています。
ボイジャー2号により撮影された海王星の環
いや~、それにしても岩石惑星以外の巨大惑星は当然のように環を持っていますよね。
これまで太陽系の惑星を順番に紹介してきましたが、今更気づいて関心しちゃいました( ☌ω☌)
衛星トリトン
海王星には14個の衛星が存在し、その中でも最大の衛星がトリトンです。
直径は2707 kmで太陽系の衛星の中でも7番目の大きさになります。
微量のメタンを含む窒素の大気がありますが、気圧は地球の100万分の1程度にすぎず地表面の反射能が高いことも相まって-235℃の極寒の世界が広がっています。
ボイジャー2号によって撮影されたトリトン
トリトンの一番の特徴はその公転軌道です。
太陽系に存在する直径2000 km以上の大きな衛星の中で唯一「逆行回転公転軌道」を持つ衛星なのです。
「逆行回転公転軌道」とは惑星の自転方向と逆方向に公転する軌道のことを指します。
この逆行の影響でトリトンの公転にはブレーキがかかるため徐々に公転速度が落ちてゆき、やがては海王星に衝突すると推測されています。
ただ、落ちるといっても海王星の重力によってバラバラに砕かれてしまうので、「直径2700 kmの衛星による丸ごとアタック‼」ということはありません。
また、破片の一部は環として落ちずに残るものもあるでしょう。
この”トリトンの墜落”ですが、もし目の当たりにすることができたらものすごくエキサイティングでしょうね~(*´Д`)
でも予想では36億年後くらいになりそうなんですって…(´;◞౪◟;)
えらく先の話だなぁ。
太陽が老化して膨張し始めると地球は灼熱の死の星となってしまうのですが、それが17億5000万年後くらいらしいので、どうあがいても地球から”トリトンの墜落”を見ることはできないでしょうね。
いや、そもそも私が生きてないか! 残念ッッ(;´༎ຶ益༎ຶ`)
海王星の謎
これまで海王星に探査機が接近して調査が行われたのは1989年のボイジャー2号によるたった一度のみです。
そのため海王星のことはほとんどわかってないと言っても過言ではありません。
いまだ多くの謎が謎として認識すらされていない状態であることでしょう。
だからこそ海王星に知的好奇心をそそられロマンを感じる人も少なくはないでしょう!(海王星に限らず宇宙全体にも言えることですが)
そんなわからないことだらけの海王星ですが、いくつかは学者たちを悩ませる謎があることが判明しているんですよ。
その中でも面白そうなものを紹介していきますね。
「大暗斑」の消失
かつて海王星にも、木星の「大赤斑」や土星の「大白斑」のように「大暗斑」と呼ばれる巨大嵐がありました。
1989年にボイジャー2号により観測された際には南半球に位置しており、大きさは「大赤斑」と同程度で最大風速は2400 km/hにもなる惑星規模の巨大嵐でした。
しかし、1994年にハッブル宇宙望遠鏡で海王星を観測した際には、「大暗斑」は消失していました。
その代わりに同じような巨大嵐が北半球で発生していました。
同規模の巨大嵐である木星の「大赤斑」は少なくとも300年以上存在し続けているのにも関わらず、数年のうちに「大暗斑」が消えてしまった原因については未だによくわかっていません。
そもそもなぜ「大暗斑」が発生するのか、発生や消失は海王星でありふれたことなのか、なども一切わかっておらず学者たちを悩ませています。
現状、この謎を解くには手がかりが少なすぎるのです(´・ω・`)
今後の探査で謎を解く手がかりが見つかることを祈りましょう(*’▽’)
ボイジャー2号により撮影された大暗斑
まとめ
さてさて、今回は太陽系第八の惑星・海王星について紹介してまいりましたがいかがでしたでしょうか?
少しでも海王星について興味・関心を持って頂けていたら幸いです(*´▽`*)
今回で太陽系の惑星に関する記事は一通り書いたことになります。
次回からはお話の規模を拡大して、「太陽系外」の事や「探査・観測技術」、私の大好きな「地球外生命体」「おすすめの宇宙映画」などに関してもどんどん書いていきたいと考えています。
しかし、海王星はもちろん他の太陽系惑星に関してもまだまだ書きたいことがたくさんあります。
今は書きたいことが多すぎて「次回は何を書こうか…そしてその次は…」なんて先のことばかり考えています(^^
結局、書くことなんてその日の気分次第で決まっちゃうんですけどね(◍ ´꒳` ◍)
では次回の宇宙情報を乞うご期待!