太陽系には現在確認されているだけで8つの惑星が存在しています。
今回は8つの惑星の中で太陽に近い所に位置する「太陽系第一惑星 水星」についてお話していきますね。
基本データ
- 和名:水星 英名:Mercury ラテン名:Mercurius
- 直径 4,879.4 km (赤道面)
- 質量 3.301 ×1023 kg
- 平均密度 5.427 g/cm3
- 表面温度 -173 ~ 427 ℃
- 公転周期 88 日
- 自転周期 58 日 15.5088 時間
- 衛星の数 0
水星ってどんな星?
いきなりですが、太陽系惑星の中で水星ってちょっと地味だなーと思いませんか?(水星愛好家の方、本当にごめんなさい)
星空を見上げてみても火星や金星ほど目立つわけでもなく、木星や土星ほどインパクトのある見た目をしているわけでもなく…
太陽系第一の惑星!とはいうもののイマイチ目立たない。。
そんなふうに考えていた時期が私にもありました。
これから紹介することを知ったら「水星君?あぁ地味で目立たなくて友達いなさそうだよね…」 とか絶対に口にできなくなること請け合いですよ!
カサカサで熱くて冷たくて…
最初に水星の環境から紹介していきましょうかね。
水星は太陽から 57,910,000 km 離れた位置にあります。
この距離、具体的にイメージし辛いですよね。身の回りにあるもので例えてわかりやすくしてみましょう。
まず水星をびー玉サイズ( 直径17 ㎜ )とすると太陽は5mくらいになります。
5m といえば救急車とか一般的なワンボックスカーがそのくらいのサイズです。
水星と太陽の距離は200mくらい。
なんだか結構距離があるように思いませんか?
200 m先にあるビー玉なんて見えませんよ。
※ちなみに地球は 4 cm くらいになり、太陽との距離は 500 m程になります。
でもですね、宇宙スケールだと太陽と水星の距離はあって無いようなもの。超至近距離なんです!
あの熱々の太陽が目と鼻の先にあるんですから昼間の水星は大変なことになってます。
なんと日が当たる部分の最高地表温度は 400 ℃ 以上に達します!
この高温環境に加え、重力は地球の半分以下ですから大気が宇宙空間に飛んでいってしまうため水はおろか大気がほとんどありません。
じゃあ日に当たっていない水星の”裏側”はどうなっているのでしょう。
なんと -170 ℃ 以下の極寒状態となっています。
うひゃー、こりゃ寒い! ”表側”と比較すると 600 ℃ 近い温度差です。
地球だと昼夜の寒暖差が 20 ℃ くらいでニュースになり、体調を崩す人が続出するというのに…
カサカサのあつあつの冷え冷えの水星、住むのはちょっと遠慮させてもらいますね!
“水星の1日” 1年より長い?
水星は太陽の周りを88日で一周します。
つまり1年は88日。
対して自転周期は56日。
太陽の重力の関係上、地球に比べ公転速度は速くなり自転速度は遅くなります。
これにより何が起こるかというと…
1日の長さが176日となります!
いやいや、さっき自転周期が56日って言うたやん。1日は56日ちゃうの、と思ったあなた!
私も最初はそう思いました!意味わかりませんでした!!
ともかく下の図を見てみて下さい!
とまあこんな感じで約半日で1年が過ぎてしまう訳です。
このように昼と夜が長いことが前述したような激しい寒暖差を生む理由でもあります。
地球の常識からは考えられないですよね!
険しすぎる! 水星の地形
提供 NASA/U.S. Geological Survey/Arizona State University/Canegie Institution of Washington/JHUAPL
上の画像をご覧下さい。
カラフルできれいですよねー(^^♪
これは水星の標高を現した地形図です。
標高 4000 m 以上の山とか、5000 m くらいの深さがある盆地が確認できます。
標高が最大の山が 4480m で、最も深い盆地は 5380 m も落ち込んでいます。
この盆地には名前もついており「ラフマニノフ盆地」といいます。
水星はとっても起伏に富んだ星なんですねー(◎_◎)
この険しい地形は水星の火山活動や天体衝突により出来上がったんだそうです。
それにしてもクレーター(隕石の衝突痕)の数が半端じゃない!
太陽に灼かれ隕石にぼこぼこにされ…
もしかして水星って相当かわいそうな星なんじゃ…(-_-;)
超難易度!水星探査 未だ残る謎
水星は他の惑星と比較して太陽の近くを公転するため探査が激ムズなんです(;・∀・)
探査機を接近させるのがまずとんでもなくムズイ!
仮に水星の近くまで到達しても着陸がとんでもなくムズイ!
そのため、人類はまだ2回しか水星の接近観測を成功させていません。
しかし、2018年10月20日に日本の水星探査機「みお」の打ち上げが成功し、国際水星探査計画BepiColombo の探査ミッションがめでたくスタートしました!
今後も 国際水星探査計画BepiColombo から目が離せません!
ただし、探査機が水星に辿り着くのは打ち上げから7年後…。
まだ当分先ですね(;^ω^)
ともかく、未だに解明できていない水星の謎はいくつもあります。
その中でも特に気になる謎を紹介していきますね。
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ちょっと水星ちゃん重すぎー!
木星の衛星であるタイタンやガニメデくらいの比較的ミニサイズの惑星です。
しかしこれら同サイズの天体と比較して水星は圧倒的に重いのです!
ガニメデ子「最近私太っちゃってさー、ショックー”(-“”-)”」
タイタン美「何よ、何 kg になっちゃったの?」
ガニメデ子「42 kg よー!ちょっと油断したらこれなんだからー!😡」
タイタン美「なんだー、私より 1 kg 重いだけじゃない😒」
ガニメデ子「乙女はその1 kg を気にするんですぅー( ;∀;) 」
タイタン美「大げさねー。ちょっと水星も黙ってないでなんか言ってやりなさいよー」
水星ちゃん「120 kg」
ガニメデ子・タイタン美 「へ?」
水星ちゃん「私の体重、120 kg」
ガニメデ子・タイタン美 「!?!?!?!!!!???!???!?!??!?!?!?」
水星、ガニメデ、タイタンを擬人化すると、彼女たちはきっとこのような会話を繰り広げることになるでしょう。
彼女たちの体格はほぼ同じ、気持ち水星ちゃんが小柄かな?ってくらいです。
しかし水星ちゃんの密度はガニメデ子とタイタン美の約3倍もあるため、「実はわたし隠れデブなんだよね(∀`*ゞ)テヘッ」ってどころの騒ぎじゃなくなるんですねー。
これほどの高密度な原因としては水星を構成する成分に重い金属が多く含まれているからという説が有力ですが、なぜこれほど金属の割合が高くなるのかという疑問が残ります。
この謎に関しては今のところ決定的な証拠は見つかっていません。
ちょっと食べすぎたってレベルじゃないですからねー。
時空の歪みを進む
太陽系の惑星はきれいな円ではなく”楕円形”の軌道を描き公転します。
軌道が楕円形なので太陽との距離は一定ではなく、近い時もあれば遠い時もあります。
惑星が太陽に一番近づく点は「近日点」といい、ニュートン力学を用いることにより正確な点を計算することができます。
しかし、水星は例外で100年につき約43秒のズレが生じてしまうのです。
そこでこの謎を解決するために用いられるのがアインシュタインが提唱した相対性理論です。
要するに相対性理論によると、太陽に近づくと巨大な重力の影響により僅だが時間の流れにズレが生じるというのです。
つまり太陽の近くは時空が歪んでいて、”時空の歪み”を進む水星はほんの少しではあるが他の惑星と比較して時間の流れが早くなるというのです!
って言っても難しくてよくわかんないですし、ほんとかー?てなっちゃいますよね(*_*)
でも実際に相対性理論を用いた計算式に当てはめてみると43秒のズレをぴったり説明できるんですって!
やっぱりアインシュタインってすごいですねー(・∀・)!
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まとめ
さて、今回は水星について紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
水星ってあんまり目立たないってイメージを持ちがちですけど、知ってみると案外特徴があって面白いでしょ??
ちょっとでも水星の面白さが伝わってればいいなー(;’∀’)
上にも書いてますけど水星ってまだまだ探査の余地があって、今後も面白いニュースを届けてくれるんじゃないかって思ってます!
それでは次回を乞うご期待!!