太陽系第二の惑星・金星 美しき地獄

太陽系第二の惑星・金星 美しき地獄





明け方、または日が沈むころに空にひときわ明るく輝く星を見たことはありませんか?

朝夕それぞれ「明けの明星」「宵の明星」なんて呼んだりします。

この明星はその明るく美しい姿から”美の女神ビーナス”に例えられ、現在でもその名で呼ばれ続けています。

今回はビーナスの正体、太陽系第二の惑星・金星について紹介していきますね(^^)

 

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基本データ

  • 和名:金星 英名:Venus ラテン語:Venus
  • 直径          12,103.6 km
  • 質量          1.869 ×1024 kg
  • 平均密度   5.20 g/cm3
  • 表面温度   45 ~ 500 ℃
  • 公転周期   224.701 日
  • 自転周期   116.7506 日
  • 衛星の数   0

 

金星ってどんな星?

金星は、水星に次ぎ太陽系で二番目に太陽に近い位置を公転する惑星です。

また、公転軌道が太陽系で最も地球に近く、サイズと平均密度も似ているため「地球の姉妹惑星」と呼ばれることもあります。

地球から見える姿はとても美しく、太陽と月の次に明るく輝く星です。

いや~、遠くから見ても美の女神に例えられるほど綺麗なんですから、近くで見れたらさぞ美しいんでしょうなー( *´艸`)

 

ところがどっこい地獄なんだな、これが

金星には大気が存在し、主成分の二酸化炭素とわずかな窒素で構成されています。

大気圧は地表でなんと90気圧

水深900mの深海くらいの高気圧です。

もし人間が金星の地表に生身で放り出されたら… 一呼吸して昏倒するか、気圧で体がグシャっと潰されるかして10秒も生きていられないでしょう(;・∀・)


出典 NSSDC Photo Gallery Venus

金星はこのとっても濃い大気を持っているがゆえに星全体が分厚い雲に覆われています。

金星の雲の主成分は二酸化硫黄で硫酸の雨がブワーッと横殴りに吹き荒れています。

ただこの硫酸の雨は上空で上下左右に荒れ狂っているだけで地表に届くことありませんのでご安心を(^^♪

この分厚い二酸化硫黄の雲は太陽光の約80%を反射します。

そのため地球では金星がとっても明るく見えるのです。

普通これだけ太陽光を遮っている場合、地表の温度は氷点下の極寒になってしまうはずです。

しかし実際には金星の地表は最大500℃以上にも達する灼熱状態です。

これは金星の大気の主成分である二酸化炭素の温室効果によるものです。

うーん、金星に比べると地球の温暖化問題なんてかわいいもんですねー(*_*)

 

さらに金星の環境を象徴する現象があります。

超強い風です。

字面だけ見ると先に紹介した硫酸の雨や、高温高気圧の方がインパクトがありますが金星の風って本当にすごいんですよ(◎_◎)!

どのくらいすごいかというと、この風なんと4日で金星を1周します。(金星は1周 約38,000 km)

風速は秒速100 m以上で、金星の時点より60倍も速いです。

地球の台風でいうと風速が秒速25 m 以上の範囲を暴風域と呼びますが、金星の風は暴風と呼ぶにはあまりにも強すぎるのです!

この超強い風は惑星全体で常に吹き荒れており、スーパーローテションと呼ばれています。

ちなみに風速100 mの風が地球で吹き荒れると…

まず、人間は軽ーく宙に舞います。

人間だけでなく家屋などの建造物も倒壊し宙を舞います。

まさに地獄絵図。遠くから見える美しさとは裏腹に金星の環境は地獄のように厳しいのです”(-“”-)”

 

しかし安心してください。

金星でスーパーローテーションが吹き荒れるのは地表のはるか上空のみです!

これが硫酸の雨が地表に届かない理由でもあります。

「自分、高気圧と高温と二酸化炭素得意っす。」って方がいたら金星への移住をお勧めしますよっ!!

 

金星は逆立ちしてる?逆の自転方向

地球の北半球を上と位置づけ、太陽系を上から見てみると惑星は皆反時計回りで太陽の周りを公転しています。

そして自転方向も大抵は反時計回りです。

惑星の自転方向は、惑星が誕生する過程で決まります。

細かいメカニズムは省きますが、太陽の周りの塵が集まり星ほどの塊になる過程で通常は反時計回りになるのです。

しかし金星の自転方向は他の惑星とは逆なのです!

そのため地軸が180°近く傾いていることになるため、金星は倒立、つまりは逆立ちしていると表現されることがあるのです!

なぜ自転方向が逆になっているのかはっきりとした理由はわかっていないのですが、自転方向が逆になってしまうほどの大規模な天体衝突があったのではと推測されています。

 

かつての金星像

かつて金星は古代の地球のように湿原が広がっている温暖な環境であり、人類の移住先になりうるのではないかと期待されていました。

金星に藍藻類を投下して光合成を利用することで二酸化炭素を酸素に置き換える提案がなされるほどでした。

しかし、近年の探査で前述したような地獄の星であることが明らかとなってきたことで、かつての金星像は廃れていきました。

でも過去の人々が金星にいろいろ期待してしまうのは無理からぬことだったのでしょう((+_+))

だって太陽からの距離は程よく、大気もある。さらには重力も地球とほぼ一緒なんです。

地球のお隣にこんな好条件(実際には違った)の移住先があれば誰もが目を輝かせ期待してしまうはずです。

実際に現在でも金星に魅了された人々により移住計画が立案され続けています。

地球外への移住計画は金星のみならず様々な星で構想されています!いずれ地球外移住計画については詳しくまとめようと思っていますのでご期待ください(^^♪

 

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金星の謎

金星は地球から比較的近い惑星であることと、移住先として期待されていただけあって過去から現在に至るまで数多くの探査がなされてきました。

その過程でかつて謎であったことが次々と解明され、人類は金星への理解を深めてきました。

しかしですね、依然として多くの謎が金星には残っているのです。

むしろ探査が数多くなされているからこそたくさんの謎が発見され、私たちの好奇心を掻き立ててやまないのです(*´Д`)!

 

宇宙人がいる⁉

「かつての金星像」でも紹介したように、金星には地球と似たような環境があると推測されていたため当時は知的生命多の”金星人”がいてもおかしくはないと思われていました。

しかし金星探査が進むにつれ、金星は生物が生存できる環境ではないと考えられるようになっていきました。

ただ、金星に生命が存在する可能性が完全に否定されたわけではなく高度50 kmほどの大気中であれば生命が存在できるのではないかという説もあります。

ただし、存在するとしても地球上に存在するような大型の生物ではなく浮遊性の微生物だろうといわれています。

 

人工物らしき存在

金星には自然にはできるはずのない地形や建造物らしきものがあると言われています。

ナスカの地上絵のように上空からの映像で確認できる数字が描かれていたり、ピラミッドのようなシルエットの地形が写真で確認されています。

ただし、これらの画像はどうもにも移りが明瞭でなくほんとに人工物かどうかと聞かれると「うーん(;・∀・)」となってしまうものばかりなのであえて今回は画像は載せません。

興味があったら調べてみてくださいね(^^)

 

まとめ

さてさて、今回紹介した太陽系第二惑星・金星はいかがでしたか?

少しでも「へー、知らなかったー」とか「面白い!」とか金星についての魅力を感じて頂けていたら幸いです(^^)

今後もどんどん宇宙の面白いこと、不思議なこと紹介していきますからねー(^^♪

乞うご期待!

 

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