太陽系第七の惑星・天王星 のっぺりとした不気味な星、その正体に迫る

太陽系第七の惑星・天王星 のっぺりとした不気味な星、その正体に迫る





太陽系第七の惑星・天王星

その姿から受ける印象は全くの「無表情」

まるで宇宙に浮かぶゆで卵のようです。

個人的に少し不気味な印象を受ける星ですが、実際はどのような惑星なのでしょうか。

今回はそんな天王星について紹介していきますね。

 

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基本データ

  • 和名:天王星 英名:Uranus ラテン名:Ouranos
  • 直径     51,118 km
  • 質量     8.686 ×1025 kg
  • 平均密度   1.32 g/cm3
  • 表面温度   -214 ~ ?? ℃
  • 公転周期   84.25301 年
  • 自転周期   17 時間 14 分
  • 衛星の数   27

 

天王星ってどんな星?

太陽系第七の惑星・天王星は土星のひとつ外側、海王星のひとつ内側に公転軌道を持つ惑星です。

天王星が惑星として認められたのは比較的最近のことで、1781年に音楽家であるハーシェルが天王星を観測し軌道計算の結果、太陽系の惑星であることがわかりました。

天王星に接近した探査機はこれまでに1986年のボイジャー2号のただ一機のみで、天王星より内側の公転軌道を持つ惑星と比べてまだまだ分かっていないことが多い星です。

 

惑星としての発見が遅れたのも探査が進んでいないことも、理由はシンプルで”ものすごく遠い” この一点に尽きます。

天王星のお隣さんで一つ内側に公転軌道をもつ土星の平均公転半径は約 14億 km なのに対し、天王星は約 29億 km です

太陽光が天王星に届くのに26時間半もかかります。(地球までだと約8分)

時速300 km/h の新幹線で約 1,100 年、徒歩だと約 82,000 年かかります。

現代技術を持ってしても天王星までの距離は超遠いんです。

そりゃあ中々発見できませんし、探査も遅れるってもんです(;・∀・)

 

「天王星型惑星」

天王星の大気は水素83%、ヘリウム15%、メタン2%で構成されており内部には水、メタン、アンモニアでできたマントルがあり、岩石と氷から成る核を持っていると考えられています。

木星や土星のような「木星型惑星(巨大ガス惑星)」と同様に、地球などの「岩石型惑星」と比べると非常に大きいです。

しかし、水素やヘリウムを主成分としたガス惑星に対して、水やメタンも豊富に含む天王星は「天王星型惑星(巨大氷惑星)」に区分されています。


地球と天王星のサイズ比較

直径は地球の約4倍、質量は約15倍と非常に大きい天王星ですが表面重力は地球の90%程度しかありません。

そのため、もし人間が天王星に立つことができたなら、自分の体重にあまり違和感を感じることは無いはずです。

ただし、天王星には地表と呼べる部分は無く、最低-214 ℃まで下がる極寒の気温に加え地球よりもはるかに大きい大気圧など人間が生存するには非常に厳しい環境なので実際に行ってみようと思うのはやめた方がいいかもしれませんね(;・∀・)

 

大きく傾いた地軸

天王星の大きな特徴の一つとして、大きな地軸の傾きが挙げられます。

公転面に対して98度も傾いており、ほぼ横倒しの状態です。


ハッブル宇宙望遠鏡により撮影された天王星

この大きく傾いた地軸と、約84年という長い公転周期の影響で極点では42年間ずつ昼と夜が続くことになります。

そのため、極点が太陽を向いているときは一日での気温変化がほとんど無くなるため雲が発生せずのっぺりとした見た目となるのです。

ちょっと想像してみてください。広大で真っ暗な空間にこんなのっぺらぼうみたいな超巨大な球体が浮かんでいる様を。

不気味というか…何とも言えない恐怖を感じませんか(; ・`д・´)

私は超怖いです!! …私だけですかね…?

 

ただ、2007年に春分を迎え赤道上では8時間半ごとに昼と夜を繰り返すようになっており一日の気温変化が大きい時期になりました。

そのため、2011年にはメタンの氷でできた白い雲が観測されています。

ただし、2028年の夏至を迎えるのでその頃には再び雲のないのっぺりとした見た目に戻っていることでしょう。

 

天王星の環

天王星にも木星、土星と同様に環があります。

この環は直径10 m 以下の暗い物質で構成されており、肉眼で見ることは難しいです。

赤外線域に対応した機材を用いることでその姿を捉えることができます。

 

天王星の発見者であるハーシェルによって1987年に初めて環が観測され、1797年に正式発表されましたが当時は認められることはありませんでした。

その後約200年にわたって環が見えなくなってしまったためです。

これは元々環が見えにくいのに加え、土星の環と同様に徐々に拡散し暗くなっているためだと考えられています。

しかし観測技術の向上により1977年にカイパー空中天文台にて改めて天王星の環が観測され正式に認められることとなりました。

 

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天王星の謎

上述した通り、天王星は地球から見て非常に遠い位置にあり観測や探査が困難であるため多くの謎が残されています。

もう何がわからないのかがわからない状態です(◎_◎;)。

そんな天王星の数多くの謎の中でも特に面白そうと思ったものを紹介していきますね。

 

ダイヤモンドの雨

天王星にはなんとダイヤモンドの雨が降っているのではと考えられています。

天王星の大気の主成分であるメタンが木星の高温・高圧環境でダイヤモンドの雲を作り何百万カラットという地球では考えられないサイズのダイヤモンドが降っていると推測されています。

(メタンは水素と炭素が結びついた物質で、高温・高圧下で炭素が四面体構造を成しダイヤモンドとなる。)

さらには天王星の極限環境ではダイヤモンドが液体となり海や氷山を形成している可能性もあるとのことです。

「不気味な星だ」とか言っちゃいましたけど、天王星は宝石の塊のような神秘的な星なのかもしれないんですね。

是非とも採掘にいってみたいものですな~(*´Д`)

 

まあ何はともあれ、まだダイヤモンドが直接確認されたわけではありません。

今後の探査、さらには採掘を期待しましょう!

 

地軸の傾きの原因

先にも紹介しましたが、天王星の地軸はほぼ横倒しと言えるほど傾いています。

実はこの傾きの原因に関してはよくわかっていないのです。

通常、惑星ができる過程で公転面に対して平行方向に自転を開始します。

惑星ほどの大きさの物体が地軸を傾けるためにはそれなりの規模の”外的要因”が必要になります。

この”外的要因”に関する説が大きく分けて二つ挙げられています。

  1. 天王星が原始惑星である時期に大規模な天体衝突があった。
  2. かつて存在した巨大衛星の影響で地軸が傾いていった。

1の説に関しては、シミュレーションによる計算で天王星ほどの規模の惑星の地軸がこれほど傾くには地球くらいの大きさの星と2回衝突する必要があるそうです。

また、地球の地軸の傾きについても1の説(ジャイアントインパクト説)が有力とされています。

 

ただ、天王星の表面にクレーターなどの天体衝突の跡や、かつてあったと推測する巨大衛星などの決定的な証拠が見つかっているわけではありません。

というか、現段階ではどうやって証拠を見つけるのか見当がつきません。

 

天王星の”重要性”

これ以上の天王星探査には大きな技術革新はもちろんですが、天王星探査の重要性を見出すことが必要になります。

ちょっといやらしい話ですが人類にとって有益である対象でないと予算も技術者も集まらないのです…(´ω`;)

なので非常に技術的難易度が高く莫大な予算を必要とする地球外探査には、人類移住の可能性が考えられる火星探査や地球外生命体がいる可能性があるとされる天体に対して人も集中するのです。

とても残念ですが”ただ知りたい”という理由だけでは天王星の真実に近づけないのです…”(-“”-)”

現時点で天王星に生命の可能性や科学的重要性があるかどうかは謎です。

今後の探査の進捗にも大きく関わってくることですし、是非とも人類の価値と判断される何らかの”重要性”が見つかってほしいものです。(天王星に限った話ではありませんが…)

 

個人的には宇宙のすべてには等しくロマンがあり、宇宙の塵だろうが惑星だろうが恒星だろうが貴賤は無く等価だと思っています。

知りたくないことなんてありません。

あ~、早く気軽に宇宙にお出かけできる時代が来ないかな-(*´Д`)

 

まとめ

さてさて、今回は太陽系第七の惑星・天王星について紹介してきましたがいかがでしたか?

すこしで興味、関心を持って頂けたなら幸いです。

 

今後も宇宙の面白い事や不思議な事をいろいろ紹介していく予定です(*’▽’)

次回の宇宙情報を乞うご期待!

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