宇宙空間ってどんなところ？ 生身で出るとどうなるの？

我々が暮らす地球の外側、はるかに広がる宇宙空間。

普段あまり意識しませんが宇宙空間ってどんなところなんでしょう？

そして、私たち人間が生身で宇宙空間に放り出されるとどうなるのでしょう？

今回はそんな疑問について考えていきましょう。

宇宙空間ってどんなところ？

宇宙空間 (Outer space)とは、「天体（大気圏も含む）に属さない空間領域」のことを指します。

地球では、海抜高度 100 kmを大気圏と宇宙空間との境目であるカーマン・ラインと定めています。

ちなみに、一般的な旅客機は高度10 kmくらいのところを飛行していて、宇宙には程遠いです。

一方、国際宇宙ステーション(ISS : International Space Station)ともなると、高度は約400kmの宇宙空間を飛行しており、多くの宇宙飛行士がこのあたりの高度で活動していることになります。

↓↓↓ 国際宇宙ステーションから撮影された地球 ↓↓↓

環境

宇宙には空気が無く真空であるため、大気圧は0です。

また、真空ということは原子・分子運動する物質が無いため気温は絶対零度マイナス273.15℃(または0ケルビン)です。
(※温度とは原子や分子の運動速度によって決まる)

そして、普段は大気の層で拡散・吸収されている宇宙線が宇宙空間では容赦なく降り注いでいます。

宇宙線とは放射線のことであり、太陽や銀河に属する様々な天体から放射されていて上下左右全方位から飛んできますので宇宙空間に逃げ場はありません。

宇宙空間に生身で出るとどうなる？

結論から言いますと、人間が宇宙空間に出ると死んでしまいます。

人間は宇宙船や宇宙服などの装備無しでは、宇宙空間で生存できないのです。

ただ、死ぬにしても死因は何なのでしょうか？

気圧の影響

まずは、宇宙空間での気圧、つまりは真空状態が人体に及ぼす影響を考えていきましょう。

たまに耳にするのが「身体が破裂する」とか「血液が沸騰する」などの恐ろしい説。

実はこれらの説は、ガセであり現実的ではありません。

確かに、気圧がないため「体が膨らんで最終的には破裂ッ！」なんて思うかもしれませんが、そもそも体内から外へ向かう圧力はそれほど強くありません。

血液の沸騰も「真空下で血の沸点も下がるから」と考えてのことでしょうが、血管に覆われた血液の圧力はそれほど下がりません。

ただし、眼球や口、鼻、皮膚表面からはものすごい勢いで水分が蒸発していき気化熱により体温がみるみる奪われ身体が凍り付いてしまいます。

さらに恐ろしいのは、呼吸困難に陥ることです。

宇宙空間では空気がないため呼吸できないというのはもちろんですが、例え肺の中に新鮮な空気を供給できたとしてもある程度の大気圧が無ければ血液中に酸素が取り込まれることは無く10秒程度で気絶してしまい、そのまま死んでしまいます。

つまり、人間は生身で宇宙空間に出ると窒息死します！

気温の影響

次に宇宙空間の気温の影響を考えてみましょう。

宇宙空間はマイナス273.15℃の絶対零度環境のためとっても寒そうですよね。

でも、宇宙空間には温度を伝達する物体が存在しないため、本来暑い寒いの概念がないのです。

例えば宇宙飛行士が着る宇宙服ですが、宇宙空間では放熱ができない(熱を移せる物体が無い)ため暖房ではなく冷却装置が付いています。

確かに生身で宇宙空間に出た場合は、身体が凍り付いてしまいますが、それは体表面からの水分蒸発による気化熱の影響であり、マイナス273.15℃という気温が直接人体に影響を及ぼしているわけではありません。

宇宙線の影響

最後に宇宙線の影響を考えていきましょう。

宇宙線つまりは放射線を人体に当てると、被曝し遺伝子が破壊されるといった悪影響があります。

また、太陽光が当たるところは100℃以上の高温になり、紫外線の量も凄まじく10秒ほどで日焼けしてしまいます。

ただ、宇宙線の影響でただちに死んでしまうかと言われればそうではありません。

即死するほどの放射線量ではないのです。

しかし、即死なないからといって宇宙線は浴びていいものではありません。

将来的にがんなど病気を患うリスクが格段に向上するため、宇宙線の影響を受けにようにすることは今後の宇宙開発における大きな課題のひとつなのです。

まとめ