【天体観測に行こう!】『流星群』とは? 種類や時期もご紹介!

【天体観測に行こう!】『流星群』とは? 種類や時期もご紹介!






皆さん、流れ星を見たことはありますか?

意識して夜空をよく見上げるという人以外は見たことないよって方も多いのではないでしょうか。

天体観測が趣味の方でも普段はあまり見る機会が無いはずです。

でも流れ星って適切な時期を見極めれば案外かんたんに見れちゃうものなんです。

 

そこで今回紹介したいのは流れ星の乱れ打ち『流星群(りゅうせいぐん)』についてです。

一度はニュースでも聞いたことがあるワードですよね。

「本日は○○座流星群が見頃です」みたいな感じで。

すでにご存じの方も多いかもしれませんが『流星群』には種類と、それぞれの見頃の時期があります。

 

そこで本記事では「『流星群』とは何か」種類について」「見るのに適した時期」にスポットを当ててお話ししていきたいと思います。

これを機に流星群について少し詳しくなっちゃいましょう!

 

関連記事

星空を撮影しよう!撮影の仕方、オススメのカメラや機材をご紹介!

 

 

Advertisement

流星群とは


画像:国立天文台  ペルセウス座流星群の放射点

流星群とは、空の”ある一点”から複数の流れ星が発生する現象のことです。

この”ある一点”を放射点、または輻射点と言い、流星群に属する流れ星は群流星と呼ばれます。

そして、流星群には放射点と重なる星座の名前が付けられ種類が区別できるようになっています。(例:上の画像のペルセウス座流星群)

 

群流星の元になるのは、かつて地球の公転軌道を通過した彗星や小惑星(母天体)から放出された岩石の破片や塵です。

大きな楕円形を描く公転軌道を持つ彗星などが太陽に接近すると、大量のガスや塵を放出するようになります。

この時に放出されたガスや塵は肉眼で確認できる「彗星の尾」や、水星軌道に沿うように散らばる「塵の帯(ダストトレイル)」を作ります。

この「塵の帯(ダストトレイル)」と地球がぶつかるときに流星群が発生します。

地球の大気中を塵が猛スピードで飛び交うことで、発火し輝く流れ星となるのです。


画像:国立天文台    彗星の軌道上には塵の帯(ダストトレイル)ができる。

塵の帯(ダストトレイル)はたくさん存在し、母天体やその軌道、地球と接触する角度などは様々です。

そのため、流星群の放射点も塵の帯の数だけあり、流星群の種類も多岐にわたることになるのです。

 

下の動画も合わせてご覧になると、さらに流星群について理解しやすいかと思います。

 

関連記事

太陽系を旅するほうき星『彗星』とは?「何もの?」「どこから?」その正体にせまる

 

 

流星群の一生

流星群には、数年から数十年おきに出現する周期群毎年出現する定常群不定期で突発的に出現する突発群があります。

若い流星群ほど、ダストトレイルの範囲が狭く、数年から数十年に一度地球に接触する周期群となります。

また、周期群の塵の分布密度は比較的濃いため、大規模な流星群となりやすいのも特徴です。

時間の経過とともにダストトレイルは軌道上を伸びてゆき、軌道の外にも拡散していくため塵の密度は小さくなりますが地球との接触頻度が多くなり、毎年観測できる定常群となります。

さらにダストトレイルの拡散が進むと、やがては流星群は消滅してしまいます。

 

Advertisement

流星群の出現時期

流星群について少し詳しくなって頂いたところで、日本で見やすいオススメの流星群を紹介してきます。

今回紹介する流星群はどれも天気にさえ恵まれれば肉眼でも十分見られるものを選んでいます。

是非とも流星群を見たり、撮影するなどして楽しんで頂ければと思います。

 

関連記事

星空を撮影しよう!撮影の仕方、オススメのカメラや機材をご紹介!

 

しぶんぎ座流星群

しぶんぎ座流星群は、年間三大流星群の一つです。

北半球での観測に向いた流星群で毎年1月3日頃から活動が活発になります。

母天体としては、マックホルツ第一周期彗星、C/1490Y1、太陽系小天体2003EH1、ヘール・ボップ彗星が候補となっています。。

1月 流星群の

ピーク日時

月齢 肉眼での

観測条件

備考
2019年 4日 11時 28 月明りが少なく天気が良ければピーク時刻は好条件になる。
2020年 4日 17時 9 月明りは少ないがピーク時刻が夕方なのが少し残念。
2021年 4日 0時 20 月明りが少し邪魔になりそう。
2022年 4日 6時 1 月明りの少ない好条件。早起きして見てみよう。
2023年 4日 12時 11 満月目前の上、ピーク時刻が昼間ということで条件は悪い。
2024年 4日 18時 22 月明りが多く、ピーク時刻が夕方で条件が悪い。
2025年 4日 0時 4 月明りも少なく、ピーク時刻も夜中という好条件。

 

4月こと座流星群

4月こと座流星群は、毎年4月に活動が確認できる流星群ですが、突発出現することもあり1922年、1945年、1982年に突発出現が観測されました。

計算上は当分突発出現はしないとの予想ですが、あくまで予想です。今後も要注目の流星群です。

母天体は、C/1861 G1 Thatcher 彗星です。

4月 流星群の

ピーク日時

月齢 肉眼での

観測条件

備考
2019年 23日 9時 17 ピーク時刻が昼間なのが残念。
2020年 22日 15時 29 月明りは少ないがピーク時刻が昼間。
2021年 22日 22時 11 満月目前ということで月明りが少し邪魔になりそう。
2022年 23日 4時 21 月明りが少し邪魔かも。天気が良ければよく見える。
2023年 23日 10時 2 ピーク時刻が昼間ということで条件は悪い。月明りが少ないのが救い。
2024年 22日 16時 14 満月で月明りが多く、ピーク時刻が昼間と条件が悪い。
2025年 22日 22時 24 月明りが少し邪魔になるかも。

 

みずがめ座δ流星群

みずがめ座δ流星群は、毎年7月から8月上旬にかけて活発な活動が観測される流星群です。

やぎ座流星群も同時期に見られるため、夏休みはみんなで夜空を眺めましょう!

母天体は、96P/Machholz 彗星です。

7月 流星群の

ピーク日時

月齢 肉眼での

観測条件

備考
2019年 28日 25 月が昇るのが夜明け前なので、日没後から夜中過ぎにかけて好条件。
2020年 28日 7 月明りは少なく、好条件。
2021年 28日 18 月明りが邪魔になりそう。
2022年 28日 29 ほぼ新月ということで月明りを気にすることなく観測ができる。
2023年 28日 10 夜中の1時ごろに月が沈むのでそれ以降が見頃。
2024年 28日 22 月が昇るのが夜明け前なので夜中は好条件。
2025年 28日 3 月明りが少なく好条件。

 

やぎ座α流星群

やぎ座α流星群は、毎年7月31日にピークを迎え、流星の速度がゆっくりなのが特徴です。

たまに流星が爆発したように明るくなる挙動を見せます。

みずがめ座δ流星群と同時期に見られるため、夏の夜空はとても賑やかになります。

母天体は、未判明です。

7月 流星群の

ピーク日時

月齢 肉眼での

観測条件

備考
2019年 31日 28 月明りを気にせず観測できる好条件。
2020年 31日 10 夜中過ぎに月が沈み好条件となる。
2021年 31日 21 日付が変わる少し前に月が昇ってくるがそれまでは好条件。
2022年 31日 1 ほぼ新月ということで好条件。
2023年 31日 12 満月がある。夜中の2時には沈むがそれまでは月の反対側の空を見よう。
2024年 31日 24 深夜1時過ぎに月が昇るまでは好条件。
2025年 31日 5 23時以降に月が沈み好条件となる。

 

ペルセウス座流星群

ペルセウス座流星群は、年間三大流星群の一つで毎年8月に活発な活動を見せてくれます。

流星が明るいものが多いのが特徴で、数も多くとても見やすい流星群です。

母天体は、スイフト・タットル彗星です。

8月 流星群の

ピーク日時

月齢 肉眼での

観測条件

備考
2019年 13日 16時 12 満月のため観測条件は悪い
2020年 12日 22時 23 月明りが少し邪魔になる。月が昇る夜中前に見るのがおすすめ。
2021年 13日 4時 4 最良 8年ぶりの好条件になる。22時前に月が沈んでからが最高。
2022年 13日 10時 15 月明りが多く、ピーク時刻は朝ということであまり条件が良くない。
2023年 13日 16時 26 ピーク時刻が夕方だが、月が昇る2時までは比較的観測しやすい。
2024年 12日 23時 9 23時ごろに月が沈みピーク時刻を迎える。
2025年 13日 5時 19 月明りが邪魔になりそう。

 

10月りゅう座流星群

10月りゅう座流星群は、その名の通り毎年10月にピークを迎えます。

また母天体である21P/Giacobini-Zinnerの軌道の関係上、13年ごとに好条件をとなる周期群でもあります。

次の活発期は2025年で、2062年頃や2098年頃にはさらに活動的になると予想されています。長生きしないとですねー(;^ω^)

10月 流星群の

ピーク日時

月齢 肉眼での

観測条件

備考
2019年 9日 15時 10 月明りは少ないが、ピークが昼間なのが残念。
2020年 9日 21時 20 月明りが多い。月とは別の方向の夜空を眺めよう。
2021年 9日 3時 3 月明りが少なく好条件。
2022年 8日 10時 13 月明りが多く、ピークが昼間ということであまり条件は良くない。
2023年 9日 16時 24 月明りが少なく、好条件。月が昇る夜中前であればなお良し。
2024年 8日 22時 6 月明りが邪魔になるかも。
2025年 9日 4時 17 14年ぶりの活発期になるかも。しかし月明りが邪魔になるかも。

 

オリオン座流星群

オリオン座流星群は、毎年10月にピークを迎え、流星の速度がとても速く明るいのが特徴です。

流星の数はそれほど多くありませんが、流星が明るいため肉眼でも観測しやすい流星群と言えます。

母天体は、ハレー彗星です。

10月 流星群の

ピーク日時

月齢 肉眼での

観測条件

備考
2019年 22日 8時 23 ピークが日の出後になってしまう。
2020年 21日 14時 4 月明りは少ないが、ピークが昼間なのが残念。
2021年 21日 20時 15 満月ということで条件は良くない。月の無い方向の夜空を眺めよう。
2022年 21日 3時 25 月明りが少し邪魔になるかも。
2023年 22日 9時 6 0時から夜明けにかけて好条件となる。
2024年 21日 15時 18 月明りが多く、ピーク時はオリオン座が地平線に沈んでいるので条件は良くない。
2025年 21日 21時 29 最良 月明りを気にする必要もなくピーク時刻も日没後ということで稀に見る好条件。

しし座流星群


しし座流星群の大出現を描いた絵画(1833年(左)1866(右))

しし座流星群は、毎年11月にピークを迎える流星群です。

1799年、1833年、1866年、1966年、最近では2001年に大出現し、流星天文学の発展に関して非常に大きな影響を与えた流星群と言えるでしょう。

ただ、活発な時期以外は流星の数はそれほど多くありません。

母天体は、テンペル・タットル彗星です。

11月 流星群の

ピーク日時

月齢 肉眼での

観測条件

備考
2018年 18日 7時 10 夜明け前が月も無く好条件となる。
2019年 18日 14時 21 ピークが日中なので条件は良くない。
2020年 17日 20時 2 月明りは少ないが、ピーク時に放射点が地平線の下にある。
2021年 18日 2時 13 月明りが多く、あまりいい条件ではない。
2022年 18日 8時 24 ピーク予想が日の出後なのが残念。ただ19日や22日に活発になる可能性あり。
2023年 18日 14時 5 月明りが少なく見やすい。21日夜中にも活発になるかも。
2024年 17日 20時 17 月明りが多いので、月とは別方向を眺めよう。
2025年 18日 3時 28 最良 久々の活発期到来か。月明りも少なく最良の条件。

 

ふたご座流星群

ふたご座流星群は、年間三大流星群の一つで、毎年12月にピークを迎えます。

流星の数が非常に多く、明るい流星が見えることが特徴です。

母天体は、小惑星ファトエンです。

12月 流星群の

ピーク日時

月齢 肉眼での

観測条件

備考
2018年 14日 21時 7 夜中過ぎから好条件となる。
2019年 15日 4時 18 月明りが多いのが残念。
2020年 14日 10時 0 ピークは昼間だが月明りが無い好条件。
2021年 14日 16時 11 0時ごろに月が沈むため夜明けまで好条件となる。
2022年 14日 22時 21 ピークの22時から月が昇る23時までが最も良い条件。
2023年 15日 4時 2 最良 月明りが少なく、ピーク時間も良好。
2024年 14日 10時 14 満月手前ということで月明りが邪魔になる。
2025年 14日 16時 25 ピーク前日の13日の日没からの方が見やすい。

 

Advertisement

まとめ

さてさて、今回は『流星群』について紹介して参りましたがいかがでしたか?

流星群は、出現の時期さえ把握しておけば比較的容易に観測できる身近な天体ショーです。

皆さんもこれを機に、流星群出現の時期には夜のお散歩でもしながら流れ星の観察を楽しんでみて下さい。

天体観測にも慣れてきたら見晴らしの良い場所での定点撮影も楽しいかもしれませんね(*’▽’)

 

ではでは、次回の宇宙情報を乞うご期待!

 

関連記事

【天体観測に行こう!】秋の星座をご紹介!秋の星空を堪能しよう!【9月 10月 11月 編】

【天体観測に行こう!】冬の星座をご紹介!天体観測に最高の季節を楽しもう!【12月 1月 2月 編】

星空を撮影しよう!撮影の仕方、オススメのカメラや機材をご紹介!

天体観測カテゴリの最新記事