【天体観測に行こう!】秋の星座をご紹介!秋の星空を堪能しよう!【9月 10月 11月 編】

【天体観測に行こう!】秋の星座をご紹介!秋の星空を堪能しよう!【9月 10月 11月 編】


長野県 新海三社神社©佐久市観光協会クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0国際)




秋の夜と言えば、お月見!

「中秋の名月」を思い浮かべる人が多いのではないのでしょうか?

確かに秋は月がとてもきれいな季節ですよね。

でも、月に隠れがちですが「秋の星空」もとってもきれいなんですよ(*´▽`*)!

まだ本格的に寒くなる前なので、星空の撮影もしやすい季節です。

 

今回は、9月 10月 11月の夜空と見頃の星座についてご紹介していきたいと思います。

 

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まず覚えておきたい天文用語

月ごとの夜空と星座について紹介する前に、知っておいて欲しい天文用語について解説していきますので、上の画像参考にしながら読んでみて下さい。

 

天球

惑星や恒星がその表面に張り付き運動すると考えられた、地球を中心として取り巻く仮想の球体です。

ドーム状の建物とその天井をイメージするとわかりやすいかもしれません。

 

天頂

天球において、観測者の真上に当たる点です。

 

天の北極

地球の地軸と天球が交わる北側の点です。

北半球からは見れませんが「天の南極点」もあります。

 

北極星

天の北極に最も近い星のことです。

地球の地軸は歳差運動によって長い年月をかけて方向が変わります。

そのため北極星に当たる星も移り変わっていきます。

現在の北極星に当たる星は、ポラリス(こぐま座α星)です。

北半球における星の日周運動は、天の北極を中心に反時計回りに星が動いているように見えます。

そのため星空を追尾撮影する際には、赤道儀の極軸を天の北極に合わせるために北極星が目印にされます。

ちなみに南極星に当たる星も存在し、現在はポラリス・アウストラリス(はちぶんぎ座σ星)がそれに該当します。

 

子午線

天球における天の北極と天の南極と天頂を通る大円のことです。

 

正中

ある天体が、子午線上を通過するすることです。

天球の極点に近い星は1日に2回、正中することになります。

 

南中

ある天体が真南を通過することです。

 

南中高度

南中時の、天体と地平線との角度のことです。

南中時に天頂を通るのであれば、南中高度は90°。

南中時に地平線スレスレなら、南中高度は0℃となります。

 

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9月の星空

9月の星空は、20時ごろににデネブ、アルタイル、ベガを繋いでできる夏の大三角形が天井付近に位置するようになります。

流星群の活発な活動は見られにくい時期ですが、夜も暖かい日が多いため天体観測しやすい月と言えます。

 

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10月の星空

10月は流星群の活動が活発になる月で、りゅう座流星群とオリオン座流星群が極大を迎えます。

夏の大三角形と秋の四辺形も同時にきれいに見えやすい時期なので、流星群と一緒に観測してみて下さい。

 

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11月の星空

20時頃に天頂付近に秋の四辺形がきれいに見えます。

11月は、しし座流星群が極大を迎える月でもありますので、流星群の活動にも注目しておくと良いでしょう。

 

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秋の星座

秋の星座とは、9月から11月にかけて見やすいとされている星座のことです。

アンドロメダ座やペルセウス座など、ギリシャ神話に登場する有名な星座もあれば、けんびきょう(顕微鏡)座やちょうこくしつ(彫刻室)座など「そんな星座あったの⁉」と言いたくなるような星座まで、秋の星空ではたくさんの星座を見ることができます。

それでは秋の星座の紹介に移っていきましょう。

 

けんびきょう座

和名 けんびきょう(顕微鏡)座
学名 Microscopium
略符 Mic
設定者 ラカイユ
20時正中 9月29日
南中高度 約18°

けんびきょう座は、天の赤道よりも南の空にある南天星座のひとつで、南中高度が低く見頃の時期でもそれほど高い位置まで上がってきません。

フランスの天文学者ラカイユが設定した科学道具星座シリーズの一つです。

比較的新しい星座のためけんびきょう座にまつわる神話などはありません。

 

 

やぎ座

和名 やぎ(山羊)座
学名 Capricornus
略符 Cap
設定者 プトレマイオス
20時正中 9月29日
南中高度 約34°

やぎ座は、黄道十二星座の一つで南の空に三角形を描くような星座なのですが、2等星以上の明るい星を持たないため、さほど目立ちません。

やぎ(山羊)という名前ですが、ギリシャ神話に登場する牧畜の神パーンが、上半身がやぎ、下半身が魚という謎の生物に化けた際の姿をあらわす星座です。

 

こうま座

和名 こうま(小馬)座
学名 Equuleus
略符 Equ
設定者 プトレマイオス
20時正中 10月4日
南中高度 約60°

こうま座は、子馬の頭部をかたどった星座で、4等級以下の星しか持たない上に小さな星座のため目立ちにくいです。

こうま座のモデルは、ギリシャ神話に登場するペガススの弟ケレリス、またはケイローンの娘ヒッペだろうと考えられています。

 

ケフェウス座

和名 ケフェウス座
学名 Cepheus
略符 Cep
設定者 プトレマイオス
20時正中 10月17日
南中高度 約N56°

ケフェウス座は、北極星の近くにある星座で、一年中見ることができます。

ギリシャ神話に登場する古代エチオピア王国のケフェウス王の姿をあらわす星座です。

ちなみに、ケフェウスの妻であるカシオペヤや、娘のアンドロメダも星座のモデルとなっています。

 

みなみのうお座

和名 みなみのうお(南の魚)座
学名 Piscis Austrinus
略符 PsA
設定者 プトレマイオス
20時正中 10月19日
南中高度 約22°

みなみのうお座は、水面から飛び跳ねる姿をあらわした星座で、秋の南の空でひと際輝く一等星フォーマルハウトを携えています。

ギリシャ神話に登場するアフロディーテが魚の姿に化けた姿だと言われています。

 

つる座

和名 つる(鶴)座
学名 Grus
略符 Gru
設定者 バイエル
20時正中 10月22日
南中高度 約8°

つる座は、南天星座の一つで明るい星を持つ星ですが、日本では南の低い位置にしか見えないため目立ちにくい星座です。

16世紀以降に作られた比較的新しい星座のため、つる座にまつわる神話はありません。

 

みずがめ座

和名 みずがめ(水瓶)座
学名 Grus
略符 Gru
設定者 バイエル
20時正中 10月22日
南中高度 約8°

みずがめ座は、黄道十二星座の一つですが明るい星を持たないため目立つ星座ではありません。

ギリシャ神話に登場する、美少年ガニメデスがお酒の入ったみずがめを抱えた姿をあらわしていると言われており、みずがめからこぼれ落ちた酒はすぐ下のみなみのうお座の口へ、そそがれています。

 

とかげ座

和名 とかげ(蜥蜴)座
学名 Lacerta
略符 Lac
設定者 ヘベリウス
20時正中 10月23日
南中高度 約N83°

とかげ座は、尻尾を丸めたとかげをあらわす星座です。

北よりの天頂付近にあるのですが、すぐそばにペガスス座があることや、明るい星を持たないため目立ちにくい星座です。

比較的新しい星座なので、とかげ座にまつわる神話はありません。

 

ペガスス座

和名 ペガスス座
学名 Pegasus
略符 Peg
設定者 プトレマイオス
20時正中 10月24日
南中高度 約71°

ペガスス座は、秋の大四辺形を形作るとても大きな星座です。

日本では「桝形星(ますがたぼし)」と呼ぶ地域もあります。

ギリシャ神話では、ペルセウスがメデューサの首を切り落とした際に流れ出た血から翼の生えた天馬が生まれ、ペガスス座になったとされています。

 

うお座

和名 うお(魚)座
学名 Pisces
略符 Psc
設定者 プトレマイオス
20時正中 11月21日
南中高度 約64°

うお座は、黄道十二星座の一つで、2匹の魚をひもで繋いだ姿をあらわしています。

秋の星空では、秋の大四辺形のすぐ南東側にうお座が見えるはずです。

ギリシャ神話に登場する、アフロディーテとその息子のエロスが怪獣ティフォンから逃げる時に魚の姿に化けて川に飛び込んで逃げた場面が、うお座のモデルになっていると言われています。

 

ちょうこくしつ座

和名 ちょうこくしつ(彫刻室)座
学名 Sculptor
略符 Scl
設定者 ラカイユ
20時正中 11月21日
南中高度 約64°

ちょうこくしつ座は、フランスの天文学者ラカイユが設定した美術道具星座シリーズの一つです。

大きい星座ですが、明るい星を持たないため見つけにくい星座です。

比較的新しい星座なので、ちょうこくしつ座に関する神話はありません。

 

アンドロメダ座

和名 アンドロメダ座
学名 Andromeda
略符 And
設定者 プトレマイオス
20時正中 11月26日
南中高度 約88°

アンドロメダ座は、付近にアンドロメダ銀河(M31)があることで知られており、ペガスス座とともに秋の四辺形を形作る大きな星座です。

ギリシャ神話では、カシオペヤが娘であるアンドロメダの美しさを自慢しすぎたため、神々が腹を立てアンドロメダを鎖につなぎ、くじらの生贄にしようとしている様子が星座になったと言われています。

アンドロメダ座の逸話に限った話ではありませんが、ギリシャ神話の登場人物たちって例え神様でも非常に人間臭い性格をしていて、しかもぶっ飛んだことをしでかすんですよね(◎_◎;)

そこが星座にまつわる神話の面白いところでもあるのですが(*’ω’*)

 

カシオペヤ座

和名 カシオペヤ座
学名 Cassiopeia
略符 Cas
設定者 プトレマイオス
20時正中 12月1日
南中高度 約N66°

カシオペヤ座は、大きな「W(ダブリュー)」の形の星座で、北極星を挟んで北斗七星のあるおおくま座のちょうど反対側に位置しているため、星空の撮影の際には北極星を探すための目印とされたりもします。

日本では、カシオペヤ座は一年中見ることができ、北極星の周りを回り続けています。

ギリシャ神話では、娘のアンドロメダの美しさを自慢しすぎた罰として、神々に椅子に縛り付けられたカシオペヤの姿が星座になったとされています。

 

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くじら座

和名 くじら(鯨)座
学名 Cetus
略符 Cet
設定者 プトレマイオス
20時正中 11月13日
南中高度 約42°

くじら座は、手が生えた海獣くじらをあらわした星座です。

クジラの心臓部にあたる星であるミラは、332日周期で2等星から10等星まで明るさを変化させる「脈動変光星」という不思議な星です。

ギリシャ神話では、生贄にささげられたアンドロメダを食べようとする海獣ケートスとして登場しますが、通りがかりのペルセウスに退治されてしまうかわいそうな怪物です。

 

さんかく座

和名 さんかく(三角)座
学名 Triangulum
略符 Tri
設定者 プトレマイオス
20時正中 12月16日
南中高度 約86°

さんかく座は、その名の通り3つの小さな星が形作る三角定規をあらわす星座です。

さんかく座の近くには、アンドロメダ銀河と同じくらい大きく見えるさんかく座銀河(M33)があります。

古くから知られている星座ですが、さんかく座にまつわる神話は特にありません。

 

おひつじ座

和名 おひつじ(牡羊)座
学名 Aries
略符 Ari
設定者 プトレマイオス
20時正中 12月24日
南中高度 約74°

おひつじ座は、黄道十二星座の一つですがあまり目立つ星座ではありません。

ギリシャ神話では、母に殺されそうになったフリクソスとヘレーを助けるためにゼウスが遣わせた金の羊が、星座になったとされています。

 

ペルセウス座

和名 ペルセウス座
学名 Perseus
略符 Pre
設定者 プトレマイオス
20時正中 1月5日
南中高度 約N84°

ペルセウス座は、秋の星空の主役ともいえる星座で、「アルゴル」という有名な変光星を持っていることでも知られています。

年間三大流星群であるペルセウス座流星群の放射点があることでも有名ですよね。

ギリシャ神話では、ペルセウスの冒険譚の主人公であるペルセウスが星座になったとされています。

 

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まとめ

さてさて、今回は9月、10月、11月にかけての秋の「星空」「星座」について紹介して参りましたがいかがでしたか?

よくよく考えてみると、地球から遥か遠くの星の光が見られるのってすごいことですよね。

夜空を見上げるだけで、宇宙や星座にまつわる神話のロマンを感じられるって素晴らしい(*’▽’)!

皆さんも気が向いたら秋の夜長の星空を楽しんでみてはどうでしょうか?

 

ではでは、次回の宇宙情報も乞うご期待!

 

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